甘酒は、米麹または酒粕から造られる発酵食品であり、日本では古くから親しまれてきました。最近では「飲む点滴」、「飲む美容液」とも呼ばれ、健康・美容効果が期待されるなどスーパーフードとして佐々木希さんら女優さん達も取り入れています。今回はそんな甘酒の栄養や効能にどんなものがあるのかについて詳しく解説をしていきます。
記事の目次
甘酒に含まれる主な5つの栄養成分
発酵食品が健康にとてもいいというのは有名な話ですよね。甘酒も麹を発酵させた発酵食品の一種です。発酵することで、お米の時にはなかったビタミン類や酵素が生まれ、これらが様々な美容や健康効果を発揮するといわれています。それでは具体的に、甘酒は一体どんな栄養価を持っているのでしょうか?
甘酒には主に以下の5つの栄養成分が含まれています。
- ビタミン類(B1、B2、B6、B12、パントテン酸、イノシトール、葉酸、ビオチン 等)
- ブドウ糖
- 必須アミノ酸
- ミネラル
- 食物繊維
いつも何気なく飲んでいた甘酒にこんなにも様々な成分が含まれていることをご存知でしたでしょうか?確かにこれだけあれば身体に良いと言われるのも納得ですよね。ところで、これら5つの栄養成分はどういう効果が期待できるのでしょうか?
美肌やダイエットだけじゃない!?甘酒に期待される10の効果
甘酒に含まれるそれぞれの栄養成分には以下のような10つの美容や健康効果が期待できます。
ダイエット(糖分抑制・便秘予防)効果
(1)砂糖なしでも感じる自然の甘み
甘酒の甘みは、もととなっているお米を発酵させる際にデンプンがブドウ糖やオリゴ糖に変わるために生まれます。お砂糖を一切加えていなくても、十分に甘みを感じることができるので、どうしても甘いものが食べたいなぁなんて時には、お菓子の代用品として重宝しそうです。さらに甘酒に含まれる糖分は、太りにくい糖のためなるべく糖分をおさえて甘いものを食べたい人にはとてもありがたい飲み物になります。
(2)便秘解消
甘酒に含まれるオリゴ糖や食物繊維には腸内環境を良くし、老廃物がスムーズに排出させるような効果が期待できます。甘酒を飲むことで直接的な体重減少効果はありませんが、糖分の多いおやつの代わりとして飲むことができること、さらに便秘解消の助けにもなるとなれば、「ダイエット中だけど甘いものを食べたい!」といった時にも罪悪感を減らしながら積極的に飲むことができそうですね。
美肌(ニキビ予防・シミしわ予防・美白)効果
(1)ニキビ予防
日々の生活の中で不足しがちなビタミン2は皮脂の代謝に関わる大切な栄養成分の1つで、不足することでニキビの原因になるといわれています。甘酒にはビタミンB2の栄養成分も含まれていますから、皮脂の軽減も期待されます。東京工科大学応用生物学部教授の前田憲寿先生によると、甘酒を飲んだ人達の脂腺細胞内の脂肪が減り、皮脂量が低下していたことが証明されたそうです。(出典:食べる甘酒で病気が治る!楽々やせる!)
(2)シミ・しわ予防
甘酒に含まれるコウジ酸やセラミド、ビタミン類には、シミの原因となるメラニンの育成を抑制する作用があるといわれています。また、アミノ酸やビタミン類にはコラーゲンの育成作用があり、肌のハリを保ち、保湿効果が期待できるため、しわ予防にもつながることが期待できます。
(3)美白作用
先ほど述べたシミ・しわ予防の延長になりますが、メラニンの育成が抑制されれば美白効果も期待できます。加えてビタミンは皮脂の基礎代謝を促す効果があるとされているので、血行が良くなり、目の下のクマも改善されたという実例もあるようです。
美髪・薄毛予防・抜け毛予防効果
甘酒に含まれる豊富なビタミンB群が皮脂代謝を促し、アミノ酸が身体の基礎代謝を促すことによって全身の血行が良くなり頭皮の血流改善が期待できます。その結果、毛根にも豊富な栄養がいきわたり、髪の毛が元気になると考えられています。頭皮の血流がよくなれば薄毛予防にもつながりますから、抜け毛に悩んでいる方々にも美髪効果が期待できるといえそうですね。
甘酒には、美肌の絶対条件「ビタミン」が豊富に含まれているので美肌効果は大いに期待できそうです。これで甘酒が「飲む美容液」と呼ばれる理由がわかりますよね。しかし、甘酒の効果は美容効果だけではなく、様々な健康効果も期待されています。次はそれらについて解説をしていきましょう。
疲労回復・夏バテ防止効果
疲労回復に効果的なアミノ酸、エネルギー源となるブドウ糖は、甘酒の酵素作用によって吸収・分解されやすくなっているため、すぐに必要なエネルギーに変わります。さらに、代謝を促すビタミンB群を豊富に含むため、糖の代謝や脂肪燃焼作用が起こることによって疲労回復や夏バテ防止にも効果的といえるようです。
アレルギー予防効果
(1)花粉症
花粉症などのアレルギー疾患は、善玉菌と悪玉菌のバランスが乱れることによって起こります。甘酒には腸内環境を整える作用があるとされていて、アレルギー症状が治まったという報告も多くあるようです。(出典:効く!生甘酒)
(2)食物アレルギー
食物アレルギーの原因は、食物に含まれる一部のたんぱく質が未消化のまま腸にまで達してしまい、他のたんぱく質まで体が害とみなしてアレルギーを起こすことにあります。甘酒のもとである麹には、たんぱく質分解酵素が含まれているため、未消化のまま腸に達するのを予防する働きがあるとされています。ただし、これを完全に防げるわけではないので、あくまで予防の手助けになるということです。アレルギー予防効果に関しては、症状が改善された例は多く聞きます(出典:効く!生甘酒)。しかし、甘酒を取り続けたことでアトピー症状が悪化したという例もあるなど、すべての人に効果が当てはまるわけではないようですから、摂取する際には注意も必要です。
うつ病予防・不眠症予防効果
腸内の悪玉菌が増殖することで、精神が不安定になり、不眠症状やうつ病が発生する原因にもなります。甘酒効果で腸内環境が整い、セロトニン(幸せホルモン)という精神を安定させる物質を増やす効果が期待できます。
高血圧抑制効果
高血圧の原因には様々なものがありますが、一説にはアンジオテンシンⅠというホルモンがアンジオテンシンⅡに変わるときに血圧が上昇すると言われています。この時、肝臓からACEという酵素が分泌されるのですが、それを阻害する作用がペプチドにはあるとされています(ペプチドとは甘酒にも含まれる複数のアミノ酸がつながったもののこと)。ペプチドはACE阻害薬という高血圧抑制の薬にも似た働きをしてくれるとされています。
コレステロール値抑制効果
コレステロール値を気にして食べ物に気を使う人も多いかと思います。しかし、体外から摂取するコレステロールは全体の約2割ほどで、残りの約8割は体内で作られているため、人の体質が大きく左右します。月桂冠総合研究所によるマウス実験(出典:夏でもおいしい麹甘酒で健康になる)では、甘酒を3週間与え続けたマウスは総コレステロール値が下がり、フンの中にコレステロールが検出されたそうです。つまり、甘酒にはコレステロールを排出する作用が期待できるといえますね。外からコレステロールを摂取するのを控えるだけではなく、同時に外へ排出できればコレステロール値抑制の手助けになりますよね。
アルツハイマー型認知症の進行抑制効果
お米に含まれるフェルラ酸が認知症予防に効果的だという論文が、実際に日本の研究機関において発表されています(出典:効く!生甘酒)。米麹にもこのフェルラ酸は含まれているため、効果は期待できます。さらに、精米する際に離れてしまう胚芽部分に含まれるフィチン酸も認知症進行抑制に効果があるとされています。玄米の甘酒の方が、より効果が期待できるといえそうです。
がん予防効果
甘酒に含まれる食物繊維等が腸内で分解されると発生する短鎖脂肪酸は、大腸粘膜・腸管の活動のエネルギーになります。これらが活発に活動することで腸管バリア機能が働き、がんに対する免疫力がつくと考えられます。また食物繊維の作用には、排便時に発がん物質を一緒に体外へ排出してくれる働きもあります。
玄米が健康食品として有名ですが、甘酒においても玄米甘酒の方が効果が大きいようです。健康効果については、これら以外にもたくさんの症状改善報告が上がっているので、詳しくは別途紹介していきたいと思います。
甘酒はどのくらいの量を飲めばいいの?
甘酒は、1日に200ml程度を、コンスタントに毎日摂取するをおすすめします。カロリーは決して低いわけではなく、糖質食品であるため、飲み過ぎには注意が必要です。
甘酒の効果を最大化するにはいつ飲むのがベスト?!
甘酒にたくさんの効果が期待されるのは十分おわかり頂けたと思いますが、では一体いつ飲むのがいいの?と疑問に思う方も多いかと思います。実はどの効果を重視するかによって、おすすめの摂取時間は異なります。
(1)ダイエット効果重視の人は「朝起きてから」
甘酒には基礎代謝を上げる働きがあり、さらに甘酒の糖分はすぐにエネルギーへ変わるといわれているので、朝ごはんの代用としても成り立ちます。そのためダイエット効果重視の方には、朝に摂取することをおすすめします。
(2)精神安定効果重視の人は「寝る1時間前に」
腸内環境が人のメンタルに関わることは、うつ防止効果で説明しましたよね。寝る前に摂取することで、精神の安定を助け、快眠効果を得られるようです。
美容・健康効果はいつ飲んでも期待できますから、プラスアルファでどの効果を重視したいかを考えて摂取するようにしましょう!
こんなにたくさんの効果があるとされているなんて、まさに「飲む点滴」と呼ぶのにぴったりですよね!ただし、薬とは違い、即効性があるものではないのでコンスタントに適量を摂取していくことが、甘酒効果を実感するのに大切なことといえます。みなさんも、おいしく無理なく、甘酒効果を実感してみませんか?
甘酒は小さい子供にも飲ませても大丈夫?
酒粕から作られる酒粕甘酒は微量のアルコール成分が含まれているため、小さなお子様には飲ませないようにしてください。しかし、米麴から作られている糀甘酒は、アルコール成分が含まれていないため、飲ませても大丈夫です。しかし、糀甘酒でも塩分が含まれているものも多くありますので、乳幼児期(1歳前後)を過ぎてから摂取するようご注意ください。
編集部おすすめの米麹甘酒3選!
玄米がユメヲミタ/山燕庵
山燕庵(さんえんあん)さんの玄米甘酒「玄米がユメヲミタ」は、とにかく濃厚でクリーミー!とろとろなのに、粒感はなくてスッキリ飲める味わいです。牛乳や豆乳と割っても美味しく頂ける、とにかく味がおすすめの甘酒です。
糀甘酒/古町糀製作所
米どころとして有名な新潟に本店を構える糀甘酒専門店、古町糀製作所の甘酒は、プレーン甘酒、玄米甘酒のほか、季節限定の変わり種甘酒など、常時様々な種類を楽しむことができます。お子様でも美味しく楽しめる、ジュースのような飲みやすさが人気です!
プラス糀/マルコメ
こちらは人気食品メーカーのマルコメから発売されている糀甘酒です。上記の2種より、濃厚さは劣るものの、甘酒スイーツなどを作る際にとっても万能!サラサラスッキリした味わいで、どんな料理にも相性抜群です。また、運動後などの栄養補給飲料としても最適です。
余談!佐々木希さんも甘酒を愛飲!
私も昔から大好きな、モデルや女優としか活躍する佐々木希さんも糀甘酒を飲んでいるそうです。こうなると甘酒の美容効能の説得力が増しますよね。試す価値ありです。