「甘酒は糖質だから太る」と思っていませんか?実は甘酒にはダイエット効果や美肌効果、疲労回復効果など様々な美容・健康効果が期待されています。今回は甘酒のもたらす「整腸効果」について、詳しくご紹介していきます。
記事の目次
まずは腸のことをきちんと理解しておこう!
よく聞く「腸内フローラ」って何のこと?
腸内フローラとは人の腸内に潜む何百種類、600兆個以上もの細菌が幾分かにまとまった様子のことで、顕微鏡を通して「お花畑(英:flora)」のように見えることからその名が付きました(参考:ビオフェルミン製薬HP)。
健康体には善玉菌と悪玉菌のバランスが大切!
腸内の善玉菌を増やすことで腸内フローラが整い、日々の健康へと繋がります。しかし、善玉菌が多ければ多い方が良いというわけではありません。健康な人の菌バランスは、「善玉菌:悪玉菌:日和見菌(※)=2:1:7」と言われています。
※ 日和見菌とは、体が弱った時に腸内へ悪影響を与える菌のこと。
甘酒に期待される主な6つの整腸効果!
腸内フローラは、バランスの良い食生活によって整えることができます。しかし、忙しい毎日の中で腸内環境を整える食事バランスを考えて生活するのは難しいことですよね。そんな中で、整腸効果を発揮してくれると期待されるのが、手軽に取り入れやすい「甘酒」です。甘酒を摂ることで、どんな整腸効果が期待できるのでしょうか。
[1]便秘解消効果
株式会社インテージによる「便秘対策に関する意識調査(2013年1月調査)」において、便秘になったことがある人や便秘かもしれないと気になったと答えた人の割合は、全体の2割ほどという結果が発表されています。さらに便秘経験者や便秘が気になる人と答えた人のうち、約70%が女性であることがわかりました。
甘酒の原料となるお米や米麹には食物繊維が多く含まれています。食物繊維には、老廃物の排泄を促す作用がある為、腸内の食べ物をきちんと身体の外へ排出してくれます。
便の形で腸内環境をチェックしよう!
甘酒の便秘解消効果を実感するために、まずは自分の健康状態(腸内環境)がどうなっているのかを把握しましょう。ブリストルスケール(下図)によると便は1〜7の段階に分けられます。3〜4が正常な状態であると言われています。皆さんは現状、どの段階に当てはまりますか?
[2]ダイエット効果
[1]に派生する形になりますが、甘酒に含まれる食物繊維は腸内の老廃物は排泄されるだけでなく、余分な糖分や脂質の吸収を抑える効果もあると言われているので、ダイエット効果も期待できそうですよね。[3]糖尿病予防効果
糖質制限しないでもOK!?
糖質の極端な制限は、糖を消費する筋肉が減り、ダイエットの逆効果になる場合もあります。元々、糖質制限は重度の糖尿病患者へのおすすめ治療法であるので、健康体の人へはあまり推奨されていないそうです。
甘酒に含まれる食物繊維には、糖の吸収スピードを遅めて、血糖値の上昇を抑制する作用があるため、糖尿病予防に効果があると言われています。極端な糖質制限ダイエットをしないで、糖尿病を予防できたら嬉しいですよね。
ホルモン分泌作用で血糖値が下がる!?
また、甘酒の整腸効果によって腸内の善玉菌が優勢になると、短鎖脂肪酸と呼ばれるインクレチンというホルモンを分泌して、それがさらにインシュリンというホルモンの分泌を促すことで、血糖値を下げる効果があるとも言われています。
[4]うつ病・パニック障害改善効果
腸と脳は密接な関係にある!?
心配な事があったり、ストレスが溜まったりするとお腹がキリキリ痛くなったという経験をしたことがある方も多いのではないでしょうか。実は、脳と腸は密接な関係にあります。悪玉菌が増殖して腸内環境が悪化してしまうと、精神が不安定になったり、ネガティブ思考になったり、夜眠れないといった現象を引き起こすこともあるそうです。
うつ病の人は腸内環境が悪い人が多い?
腸内環境が悪化すると、精神を安定させる幸せホルモン(神経伝達物質セロトニン)が不足するため、結果的にうつ病やパニック障害を引き起こす可能性があるのではないかと言われています。実際、「うつ病の人の腸内を検査すると、善玉菌が少なく腸内環境が悪い」という研究結果も発表されているそうです。つまり、甘酒の整腸効果がうつ病やパニック障害の改善に繋がるという可能性は、大いに期待できますよね。
[5]風邪・インフルエンザ予防効果
腸には身体の免疫細胞の6割が存在している!
実は腸には、人間の体内にある免疫細胞の約6割が存在しているため、最も重要な免疫器官であると言えます。ですから、甘酒のもつ整腸効果が腸内環境を整えることで、風邪やインフルエンザだけでなく、ノロウィルスやO157などの感染症予防にも効果的だとされています。
[6]ガン予防効果
食物繊維が腸活を活性化させる!
甘酒に含まれる食物繊維や、レジスタントスターチと呼ばれる食物繊維と同じ働きをする消化されにくいでんぷんが、腸内で分解されると短鎖脂肪酸が生まれます。これが大腸粘膜のエネルギー源となって、免疫力の向上や腸のバリア機能向上を促すなど、腸管の働きを活性化してくれると言われています。つまり、身体の内側からがんと戦う力を補えるということになりますね。
玄米甘酒だと効果がUPする?
玄米は通常の白米よりも食物繊維が豊富に含まれているため、玄米麹から造られる「玄米甘酒」の方がこれらの効果はアップすると言えそうです。
どれくらいの量を飲めばいいの?
結局甘酒は太るの?それとも太らないの?
ここまで「甘酒は身体にいい」ということをお伝えしてきましたが、「甘酒は太る」と思う方が多いのも事実です。甘酒は糖質食品であるため、飲み過ぎてしまうと太る原因になる可能性はありますので、注意が必要です。
毎日飲んでOKな適量ってどれくらい?
それでは、一体どのくらいの量を1日に摂取すれば良いのでしょうか。摂取量の目安としては、1日に100ml〜200mlほどに収めることが推奨されています。
「整腸効果」に特化しただけでも、これだけの身体に嬉しい効果が期待されている甘酒は、まさに「飲む点滴」と言っても過言ではありません。腸内環境は食事によって変えることができますが、整えた食生活をやめてしまうと元に戻ってしまうため、継続することが大切になります。「少量の甘酒を毎日コンスタントに飲む」、これだけなら誰でも継続して行うことができそうですよね。皆さんもぜひお試しください。